昨日悲しみに泣いていた事が嘘のように

大好きな音楽や日々のことについて

こころ

 

年末に

夏目漱石

「こころ」を読みました。

 

 

こころ

 

私は

読書が好きだけど

けして読書量は多くなく

夏目漱石

国語の教科書で読んだくらいです。

 

これから

もっと近代文学を読みたくて

夏目漱石を読み始めました。

 

この「こころ」という小説は

青年が、1人の男性(先生)と出会い、

その先生の過去の秘密について

一通の手紙を通じて知るまでの

先生との交流を描いた話

と言ったらいいのでしょうか。

 

とにかく面白くて

読むのが止まらなかった。

 

人間には必ず悪い部分がある。

お金が絡むと人は変わる。

財産分与はきっちりやれ。

恋は罪悪だ。

 

若い頃の自分に言い聞かせるように

先生は言う。

 

 

人間の悪を描くことは難しいと思う。

ましてや、先生は悪人ではなく、

心の優しい人だからこそ難しい。

善人の悪は、悪人の悪よりも恐ろしくて繊細であるが故に。

夏目漱石の人間のこころを探求した精神とその表現力に圧巻された。

 

自分のために愛する人のために

誰かを裏切ることなんて

誰にもあるようなこと。

裏切られ、人の悪を知り、

裏切り、自分の悪を知った先生は

自分の罪を自分で罰した。

人のエゴが増えていくばかりの

現代に生きる私は

孤独や償いの中で生きているこの小説の苦しさに

誰にも潜む人間の悪と罪を知らされた様な気がしました。